投稿日:2021年4月5日

イギリス流ユーモアガイド

イギリス人のユーモアのセンスは独特です。

アメリカ人は分かりやすくストレートに冗談を言う傾向がありますが、イギリス人の冗談は少し分かりにくく、イギリス人との会話経験が少ない日本人は彼らの冗談を理解するのに最初は少し苦労するかもしれません。

英会話で相手のユーモアを理解することは、相手との会話を楽しみ、良好な関係を築く上でもとても重要なので、今日は英語学習者の方に知ってほしいイギリス人のユーモアの代表的な特徴であるsarcasm(サーキャズム)についてお話しします。

ブリティッシュジョーク1

イギリス流ユーモア★sarcasmとは

sarcasmとは、誰かに対して嫌味を言ったりからかったり、ある状況から笑いを取ったりするために「思っていることと反対のことを言うこと」です。

日本語では「皮肉」と訳されることが多いのですが、sarcasmは必ずしも誰かに意地悪を言いたい時に使うわけではなく、望ましくない状況からちょっとした笑いを取りたい時など様々な状況で使われています。

例えば、大雨が降っている時や嵐が来た時にイギリス人は外を見て

Lovely weather.
素晴らしい天気だね
(心の声:最悪の天気だね)

と言います。

お天気以外でも、自分にとって不都合なことが起きた時や良くないことが起きた時にイギリス人の発言にはsarcasmがよく見られます。例えば、携帯を落として画面を割ってしまった時などに多くの人が

Great.
素晴らしい
(心の声:最悪)

と言います。

誰かに対する嫌味としては、例えば、怠けてばかりいる人に対して、

You’re so hard-working.
君は本当に努力家だね
(心の声:君は怠けものだね)

と言ったり、

誰かの悪口を言う時も、イギリス人は直球に言うのではなくて、以下の様なsarcasmを通して笑いを取る場合があります。

I definitely love her.
彼女のこと本当に大好き
(心の声:彼女のこと耐えられない)

ブリティッシュジョーク2

冗談?本気?sarcasmの見分け方

sarcasmを含む発言は、言葉の意味と実際の心の声が反対なので、相手の声のトーンや表情からその発言がsarcasmだと感じ取る必要があります。

アメリカ人もsarcasmを使いますが、イギリス人よりも分かりやすく笑いながら発言するなどして「これは冗談ですよ」というような合図を含めて発言することが多いです。関西圏の方は、この様なユーモアを比較的理解しやすいかもしれません。

イギリス人のsarcasmを見分けるための絶対的なルールはありませんが、多くの場合は綺麗な言葉を使っているのに声のトーンが怖かったり、口角が上がっていなかったりします。特に嫌味を含んでいる場合は、呆れている様子でeye-rolling(目をぐるりと上に向けること)が見られることも多いです。

こういったsarcasmの合図は、経験と共にすぐに察知できるようになります。

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真に受けないこと!

イギリスのユーモアを理解するカギは、あまり真剣に受け止めないようにすることです。

彼らのユーモアの基本は、自分の欠点を強調すること。
自分の失敗を軽く受け流し、より謙虚で親近感のある存在になりたいのです。
イギリスのユーモアには自尊心は含まれず、体裁の悪さ、恥ずかしい瞬間は、すべて安定した自虐ネタの材料なのです。

またイギリス人は非常に礼儀正しいことで知られていますが、時折イギリス人が機知に富んだ冗談っぽいコメントで嬉しそうに相手を「怒らせる」場合は、その人に好意を持っている確かな兆候です。

意地悪な意図の発言ではなく、笑顔で謝罪の言葉なく投げかけられる言葉遊びなのです。会話のきっかけづくりに、お互いの違いを軽く取り上げるようなときなどに使われます。

イギリスのユーモアをマスターする重要なポイントは、相手が何を面白いと感じるかを認識することです。

ブリティッシュジョーク3

イギリス人の発言には、思っていることと反対のことを言うsarcasmがよく含まれます。

誰かに嫌味を言うため、誰かをからかうため、望ましくない状況から笑いを取るため、などその目的は様々ですが、イギリス人との会話や文化を楽しむためには彼らのsarcasmを理解する必要があります。

イギリス人との会話経験を積めば、sarcasmを聞く機会が沢山あるので見分けるのも次第に楽になりますが、イギリスの映画やドラマから学ぶのもおすすめです。

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